【馬籠−妻籠−三留野】
（馬籠宿…妻籠宿まで約８ｋｍ
落合宿から約４．５ｋｍ）
木曽路口。そうだ，このバス停だったのん。
サルスベリがきれいに咲いているぞん。
おじさんとおばさんがそろって歩いてくれるなんて
りん子，うれしいな。この間，おじさん，
怒っていたから，来てくれんと思っとったじゃん。
ごめんね。みっちゃん。
このおっさん，年とったもんで
疲れて声が出んかっただがね。
あんたも，若い子相手にかっかするでにゃあよ。
悪かったのん。りん子ちゃん。
でも，馬籠峠歩くのは，楽しみにしとったで，
やめるなんてせんよ。
心配かけたのん。
わあ，滝みたいじゃん。
なんていう川なんだろう。
これは，落合川じゃないかん。
木曽川と，落合川が落ち合うもんだい
落合っていうだぞん。
へえっ。よくそんなこと知っとりゃあすなあ。
あんたがこんなに物知りだなんて知らなんだがね。
あったり前田の，クラッカー。
もうすぐ，石畳が始まるぞん。
なんか，観光客が説明板を見とるよ。
じゅうまがり峠っていうのかしら。
あの人んとうも，歩いとるだらあか。
これは，じゅっきょく（十曲峠）と読むだぞん。
美濃と木曽の境だがん。
ここから木曽路というわけだ。
なにたあけたこと言っとりゃあすの？
標識に，中津川市馬籠って書いてあるがね。
たわけは，おみゃあだわ。
長野県の山口村は，岐阜の中津川と合併しただわ。
とろくさいでかんわ。
言ったね。このおっさんがあ・・。
せっかくにぎったにぎりめし，
食わしてやらんわ。
おじさんも，おばさんもやめりん。
こんなのどかないいところで，
夫婦げんかだなんて，話にならんよ。
だいたいおじさんは，いつも三河弁で
のん，ほいと言っているくせに，
けんかになると名古屋弁丸出しじゃん。
どうなっとるの？
ほい，このへんに馬籠城があるはずだが，
どのへんかのん。
ええっと，この薮の上みたいだよ。
あっ。萩の花が咲いているじゃん。
ハギはええなあ。
ふっふっふ。
それじゃあ，だじゃれとは，認められん。
まったく，このおっさん，とろいでかんわ。
みっちゃん，許しておくれん。
あっ，三河弁が出てまった。
いいんだよ。おばさん。
それより，このＨＰでは，
私のこと，りん子って言ってね。
馬籠宿に着いたぞん。
車で来ると何とも思わんが
歩いて来ると，いいもんだのん。
ちょっと一休みで，
そばでも食べてかまい。
おっさんのおごりだよ。
わあ，やっぱし咲いてた。
馬籠宿の萩の花を見てみたかったじゃんねえ。
りんちゃんは，萩の花が好きなんだあ。
変わっていりゃあすのお。
まあ，ゆっくり見とってちょ。
おっさん，藤村記念館を見に行こみゃあ。
りん子ちゃん，いい写真とれたかのん。
悪かったのん。一人にさせて。
そんなことないよ。
藤村記念館の前も，萩がいっぱいあったし，
大黒屋さんも，雰囲気あるし・・・。
おっさん，五平餅食べまいか。
馬籠峠めざして，まずは腹ごしらえっと。
何だ，さっきそば食ったばかりじゃあないか。
いいじゃんねえ。
腹がへってはいくさができぬ。
りん子は栗きんとんアイスを食べるよ。
（妻籠宿…三留野宿まで約５．５ｋｍ）
馬籠宿から約８ｋｍ
峠の道は，長かったのん。
馬籠峠に着いたぞん。
さあ，一休み。団子でも食べるとするか。
たあけ。団子なんか，あるわけないがね。
峠の茶屋はやってないよ。
えっ。休みかあ。
ひどい。腹がへった。
おい，にぎりめし。
おっさんにやるにぎりめしはないよ。
さっき，さんざんわしをこけにしたで，
腹いせに，全部食べてまったわ。
ええっ。最悪だがね。
チリン，チリン，チリン・・・。
やっかましいね。
なんだね。その鈴は？
さっきから，団体のおばさんが，
こっちを見とるがね。恥ずかしい。
やっぱりおまえは教養がないなあ。
これは，熊よけの鈴だわ。
これを聞くと，熊がこわがって，
にげていくだがん。
馬籠の案内所で買ったじゃんねえ。
今日は，熊みたいなおじさんがいるけど
一人の時出るとこわいらあ。
おいおい，わしは熊か？
しかし，こんなに山深いところに
白木改番所があっただのん。
熊が出るで，命がけの勤めだっただのん。
昔は，山の手入れが良かったので
熊もあまり里には出てこなんだだって。
それより，男滝と女滝を見にいこまい。
滝の上り下りで，疲れてまった。
やっと，大妻籠か。
助かった。ドライブインがある。
五平餅・・・。
うれしいな。
ちっちゃい時来た妻籠のまんまじゃん。
この水車や高札，覚えとるよ。
萩の花も咲いとるし。
（三留野宿…野尻宿まで約１０ｋｍ）
妻籠宿から約５．５ｋｍ
さすが，妻籠だねえ。
この人の多さは，名古屋なみだがね。
でも，わしらは，素通りだ。
鯉岩とかかぶと観音とかあったけど，
ゆっくり見れなんだのん。
電車がないで，先を急がんとあかんぞん。
この坂を下ると，三留野宿だら。
あれっ。Ｄ５１があるよ。
何でこんな所にあるのかねえ。
南木曽駅が見えるぞん。
さあ，急ぐまい。
あっ，まっすぐ行っちゃあだめ。
地図だと，旧道は，
トンネルの上をわたって向こう側じゃん。
ほい，中津川行きが止まっとるぞん。
（ 何とか中津川行きに間に合った
ご一行様は
三河弁と名古屋弁で
しゃべりまくるのであった。）
