彦根市・小野付近 中山道3日目
 【鳥居本−番場−醒井】


(鳥居本宿…番場宿まで約4km)
おっと,セーフ。乗り遅れると思った。
 おじさん,お待たせ。

遅かったのん。
 りん子ちゃんは,米原駅までどうやって来るだん。

りん子は,豊橋から特別快速で2時間。
 一直線だよん。

ほうかん。わしは,新幹線だとばかり思っとった。
 そういえば,武佐からの帰りに
 米原駅までの切符を買ってたのん。

JR東海の青空フリーパスだと,
 土日は,豊橋と米原を往復しても,
 2500円だからね。
  (※歩いた当時は,2040円でした。)

えっ。わしゃ新幹線で,往復1万円もしたぞん。
 急に,めまいがしてきた。くら,くら。

おじさん,寝ちゃダメ。高宮駅についたよ。


新幹線と名神高速が並行して走っているが,
 旧街道は,のどかだのん。
 何か,眠くなってきたぞん。

お彼岸に,この辺を新幹線で通ると,
 ヒガンバナが道に沿ってきれいなんだよ。
 道端の緑の濃いのが,
 ヒガンバナの葉っぱだと思うよ。

腹がへったし,眠くはなったし。
 鳥居本の駅で,休憩でもするかん。

かわいい駅だね。
 お昼にしよまい。
 無人駅だから,気がねなく,すわれるね。

おおっ,いい気持ちだ。
 弁当を食べたら,よけいに眠くなった。

だめだよ,おじさん。さあ,出発,出発。
 合羽の鳥居本の町が待ってるよ。



(番場宿…醒井宿まで約4km)
ゼー,ゼー。ねむけも覚める坂だのん。

磨針(すりはり)峠から振り向くと・・・。
 なあんだ。琵琶湖,見えんじゃん。

何か鼻がむずむずするのん。

うわっ。これって,杉じゃない。
 気が早い花粉が,
 もう飛んでるんだら。

もみじと花粉が同時だとは,思わなんだ。



きゃあ。猿,猿。

えっ。どこ。
あっち。撮って,撮って。

急に言われても・・・。
 ちょっとピンボケじゃが。
 おかげで目が覚めた。


このあたりは,番場の忠太郎が有名だってね。

「まぶたをつぶりゃあ,
 昔の優しいおっかさんの面影が
 浮かんでくらあ」

いよっ,のんほいおじさん。

ドテッ!
 また,眠くなった。




(醒井宿…柏原宿まで約6km)
この辺は,
 あちこちにきれいな水がわいているのん。

西行水に十王水。
 地蔵川には,夏,バイカモがさくそうだよ。
 今度は,バイカモを見に来よっと。


それより,了徳寺のお葉つきいちょう。
 わあ,今が見頃だのん。来て良かった。

さあ,いよいよ今日のゴール。
 居醒の清水(いさめのしみず)についたわ。


えっ。居醒の清水?
 どれどれ,ちょっと顔をあらって・・・。
 わっ。急に目が覚めたぞ。


(おじさんのあまりにも見え見えの演技に,
 あきれたりん子ちゃんは
 醒井駅から豊橋行きへ

 一日の演技に満足したおじさんは,
 米原行きの電車に乗るのであった。)


近江鉄道・鳥居本駅
鳥居本宿・合羽の看板
磨針峠・望湖楼
小磨針峠の杉
西番場
東番場
醒井宿・地蔵川
了徳寺・御葉付銀杏
居醒の清水